「○○に行きたいけど足がない」
この不便な思いを改善しながら、住民同士の全く新しいコミュニケーションにチャレンジしている町があります。
北海道天塩町です!
この北海道天塩町の取り組みが実に未来的で非常に面白い内容になっています。
過疎が進む田舎だからこそ始まった最も先進的な『notteco』というサービスにクローズアップしました。
目次
住民同士が助け合う!全く新しい相乗り交通事業『notteco』
参考:天塩町×notteco
天塩町と聞いて「初耳の町だった」という人もきっと少なくないはず。私も今回のサービスを発見するまでは認知できていない町でした。
この『notteco』というサービスを一言で表現すると、住民同士による相乗りを実現させた点が画期的だと思います。
イメージが湧かない人も多いかと思うので、実際のキャプチャを参考に天塩町の取り組みをご覧下さい。
北海道天塩町の住民による住民の為の’地域活性化’
参考:天塩町×notteco
北海道天塩町〜稚内市間で利用出来るエリアとしては限定的なサービスです。
こんな感じでドライバーさんの情報が登録更新されています。
なんとなくタクシーっぽいイメージですけどタクシーと比較して遥かに格安だと思いましたし、天塩町がこのサービスを始めた背景には過疎化によってバスやタクシー、電車など住民の交通手段が厳しい状況にあったからだと私は見ています。
参考:天塩町×notteco
予約が入っているドライバーさんの画面はこの様な感じで、個人情報を守りながらも治安的な面もきちんとフォローされているのが分かります。
「本人確認書類提出済み」
これは何となく安心感が増しますよね。
参考:天塩町×notteco
車両情報もバッチリ載ってます!
北海道という土地柄、雪道で見ず知らずの人の運転で移動するというのは多少不安感もありますが、こういった情報があれば確かに安心感が増しますね。
「女性限定ドライブ」という項目が気になりましたが、女性による女性の為の相互支援の為だと思います。
このサービスを初めて知った時に感じた個人的な懸念は以下がありました。
- 悪質ドライバーや同乗者による売春リスク
- 誘拐などの犯罪リスク
- 事故時の対応
後述しますが、役場を挟んだ対応によりこの懸念は極めて低く、安心して良いと言えるのではないかなぁという風に私は感じました。
参考:天塩町×notteco
ドライバーよりも同乗希望者の方が登録は少ない状況の様ですが、少なからず誰かしらがマッチング希望で掲載されていますね。
性別等も確認しましたが、年配の男性が多く登録されている印象を受けました。
参考:天塩町×notteco
マップで表示されるので分かりやすいです。
といってもサービス展開エリアは天塩町〜稚内市なので、言わずもがなですが。
今後真似をする自治体が増えて展開エリアが拡大された時に効果が出そうですね!
参考:天塩町×notteco
こちらが同乗希望者の詳細情報です。
荷物や目的などが掲載されているので、「迎えに行ったら荷物が多すぎて載せられませんでした。」的な展開にはならなそうですね。
現状は天塩町在住者限定!利用条件や必要書類など
利用可能な方 | 天塩町在住者 |
電話窓口 | 050-6860-3849(平日/土日祝日10:00〜19:00) |
役場対応 | 会員登録(代行登録) |
専用窓口を設けている点が素晴らしいですね。
登録に必要な書類関係は以下になります。
ドライバー | 運転免許証、自動車検車証、自動車保険証券、スマートフォンorタブレットPCが必須 |
同乗者 | 運転免許証やそれに準ずる身分証明書、スマートフォンorタブレットPCが原則必須(※) |
※役場対応の電話窓口を利用する際には下記が必要になります。
- 健康保険証
- マイナンバーカード
- 住民基本台帳カード
個人情報の事前登録が絶対必須なので、犯罪リスクの温床になる事は考えづらいかと思います。
天塩町役場がバックアップしている電話対応という手段
このサービスを利用したい年齢層をイメージした時に、スマホやPCをガツガツ使いこなす若年層よりもガジェット系に弱い高齢者層が多いのではないかと思いました。
ですので、電話対応による希望者が比率的に多いはず(?)電話では以下を伝えるそうです。
- 日時
- 到着希望時間
- 到着希望場所
- 乗車希望人数
この4点を天塩町窓口に伝えてマッチングをオペレートしてもらう事が可能です。
約二日後の折り返し連絡になる様なので、直前じゃなく事前にスケジュール立てていく必要はありそうです。
町をあげての公式な取り組みという事で先人に習う形で他の自治体も是非こういったサービスを導入してほしいですね!
特に人口過疎化によって交通手段が減りつつある市町村にとって、住民によるマンパワーこそ宝ではないでしょうか?
ガソリン代や事故時など
片道だけじゃなく往復の送迎が基本的な条件になるので、1日がかりの関係になりますね。(※)
バックパッカー的な地元住民との新しい出会いや交流の基盤になりそうで、非常に面白い試みだと思います。
実際にかかるガソリン代は同乗者が同乗人数で割り勘して負担なので、ドライバーはガソリン代の節約になりますし、同乗者も足が出来てwin×winの関係です。
事前に定められた料金以上を支払うことは禁止されているので、ドライバーが同乗者へ余分に請求したり、逆に同乗者からドライバーへ感謝の気持ちとしてチップを上乗せする事も出来ません。
この禁止事項がnottecoの風紀を守る基盤になっていると思うので、遵守すべき点ですね!
個人情報についてはマッチングが成立した後、notteco運営側を通してドライバーに同乗者情報が伝えられる仕組みになっており、同乗キャンセルする際には細心の注意と礼儀を示す必要がありそうです。
事故時はドライバーと同乗者2者での対応となりますが、天塩時ではドライバー事前登録時に任意保険の加入確認があります。
※事前に双方の合意があれば片道のみも可
まとめ
このサービスを例えば公共交通機関などが充実しているエリアで展開した場合、利用ユーザーのパイの食い合いになってしまい企業の経営悪化やそのエリアからの事業撤退なども起こり得ると思います。
交通機関を充実させたいが難しい地区を始めとする田舎でこそ真価を発揮するサービスではないでしょうか?
人口数低下〜超高齢社会という日本を支えていくには、こういった地元住民によるマンパワーをいかにして地域に反映させられるか?という点が争点になっていきますし、先陣を切って新しい取り組みにチャレンジした北海道天塩町に注目ですね。
田舎かもしれませんが他市町村よりもクリエイティビティで優っている天塩町が観光地としても栄えていく事を心より祈願しています。
